販売元:TechShare株式会社ビジョンナビゲーション付き小型ロボットアームシステム DoVision2
小型ロボットアームとカメラを組み合わせた製品を開発
今回、都産技研との共同開発で小型ロボットアームとカメラを組み合わせた製品を開発しました。
開発のきっかけは、大型の産業用ロボットへ部品を供給するために必要な細かな作業を、小型ロボットに出来ないかとのお問い合わせを、自動車部品メーカー様からいただいたことです。
工場で活躍する大型ロボットアームに、組み立てに必要なボルトを供給するためには、仕入れたボルトをストッカーにセットする必要があるのですが、そのような細かな作業は、今までは人がおこなっておりました。人手作業を軽減するために、小型のロボットアームを使って作業の自動化が求められており、今回の開発では、3台のカメラを設置した小型ロボットアームによりボルトを整列させることを実現しました。
開発に際しては、自動化の必要な場所に簡単に持ち運んでセットアップでき、すぐに作業ができること(可搬性)を追求し、カメラの取り付け位置やワークを認識する方式に独自のアイデアを盛り込んで、ボルトの認識も十分な精度にまで仕上げました。しかし、いざ色々な現場で評価してみると、光や明るさなどの環境がそれぞれ異なり、その影響により画像認識がうまくできないという問題に悩まされ、苦労しました。画像認識やAIなど、注目を浴びる技術でいくら精度を高く仕上げても、カメラで撮影した画像に影が入ったり、ワークと背景との差がはっきりしない箇所があったりすると、正しく認識できなくなってしまいます。カメラから取得した画像を処理して、全体の明るさや色合い、物体の境界などを浮かび上がらせる、フィルター処理と呼ぶ前処理を、環境に合わせて適切に設定できることも、同じくらい重要であることを学びました。