サービスロボットの共同開発事例

販売元:TechShare株式会社ビジョンナビゲーション付き小型ロボットアームシステム DoVision2

小型ロボットアームとカメラを組み合わせた製品を開発

今回、都産技研との共同開発で小型ロボットアームとカメラを組み合わせた製品を開発しました。
開発のきっかけは、大型の産業用ロボットへ部品を供給するために必要な細かな作業を、小型ロボットに出来ないかとのお問い合わせを、自動車部品メーカー様からいただいたことです。
工場で活躍する大型ロボットアームに、組み立てに必要なボルトを供給するためには、仕入れたボルトをストッカーにセットする必要があるのですが、そのような細かな作業は、今までは人がおこなっておりました。人手作業を軽減するために、小型のロボットアームを使って作業の自動化が求められており、今回の開発では、3台のカメラを設置した小型ロボットアームによりボルトを整列させることを実現しました。
開発に際しては、自動化の必要な場所に簡単に持ち運んでセットアップでき、すぐに作業ができること(可搬性)を追求し、カメラの取り付け位置やワークを認識する方式に独自のアイデアを盛り込んで、ボルトの認識も十分な精度にまで仕上げました。しかし、いざ色々な現場で評価してみると、光や明るさなどの環境がそれぞれ異なり、その影響により画像認識がうまくできないという問題に悩まされ、苦労しました。画像認識やAIなど、注目を浴びる技術でいくら精度を高く仕上げても、カメラで撮影した画像に影が入ったり、ワークと背景との差がはっきりしない箇所があったりすると、正しく認識できなくなってしまいます。カメラから取得した画像を処理して、全体の明るさや色合い、物体の境界などを浮かび上がらせる、フィルター処理と呼ぶ前処理を、環境に合わせて適切に設定できることも、同じくらい重要であることを学びました。

製品の特長

ロボットアームを移動後10分以内に作業開始できる機動性

ロボットアーム本体とカメラとが一体化しているため、設置後にカメラ位置を決めたり、キャリブレーションを行う必要がないので、移設先で直ぐに作業開始することができる。

ワーク投入を検知:
左右二基の広角カメラで可動範囲全体をカバー

左右のアラウンドビジョンカメラで、ロボットアームの可動範囲の視野を確保できるので、目標とするワークや搬送元のトレーなどが、可動範囲内にあるのかないのか、投入されたかを検知することができます。

ピックアップ:
ビジョンヘッドでよく見てピックアップ

左右の広角カメラがワークやトレーを検知した後は、ビジョンヘッドをワークやトレー付近まで誘導し、カメラレンズに歪みがないビジョンヘッドカメラで正確な位置を確認してから、ピックアップ動作します。

小型で消費電力の少ないコントローラ

ロボットアームの制御およびカメラからの画像処理は、小型で低消費電力のLinuxボード(Raspberry PiやTinker Board)を用いて実現。工場など発熱の激しい機器の設置に制限がある場面でも、導入がスムースに進みます。

活用シーン
  • 平積みボルトの整列作業
  • トレーからトレーへのボルトの移設作業
  • ボルトや釘を充填機に整列させる作業
  • お弁当屋さんなどでおかずを一個一個トレーに盛り付けていく作業
仕様
  • 最大可搬重量:約400g
  • アタッチメントは掴むものによってカスタマイズ可能
想定価格
  • DOBOT Magician(ベーシック):139,000円
  • Micro Control Box(Tinker Borard版):29,800円
  • 縦型グリッパー(エア騒動型):39,800円
  • DoVision2ビジョンヘッドカメラ:59,800円
  • DoVision2アラウンドビジョンカメラ:98,000円

開発企業からのメッセージ

今回、都産技研様には大型の3Dプリンターで筐体を試作していただいたり、ケーブルの品質を測定することを協力いただき、安定した動作を確保出来るようになりました。
最近では、FA関連だけではなく、食品関連やスポーツ関連からもロボットアームに関する問い合わせが増えてくるなど、需要が確実に伸びてきています。また、RPAと呼ばれる、デスク業務の自動化の中へも、小型のロボットアームが積極的に取り入れられています。ロボットを組み合わせて多様な業種に展開するなど、更に活躍の場を広げていきたいと考えております。
誰もが使いやすい操作性を意識し、様々な業種で活躍できるロボットを今後も開発して参ります。

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