サービスロボットの共同開発事例

株式会社府中技研電動アシスト人力車の開発

「人力車の新しい未来のために」電動アシスト人力車

都産技研とタッグを組み、株式会社府中技研を中心に5社共同で開発を進める「電動アシスト人力車」。開発を進める5社の中には、エンドユーザである全国屈指の人力車観光事業を展開する「えびす屋」も参加し、より実用化に近い開発研究が行われています。坂の多い観光地でも人力車を引く俥夫の体力に依存しない人力車サービスを実現することで、今までは勾配がきつく実現ができなかった「新たな観光ルートの開拓」や将来の俥夫の高齢化・人口減少に伴う労働力不足に向けて性別や年齢に関係なく幅広い「人材の確保」も視野に入れ開発を進めています。
東京オリンピック・パラリンピックでの観光需要拡大に向けて日本の魅力を強くアピールし、観光産業に大きく貢献する技術開発を目指します。

製品の特長

電動アシスト制御

自然な引き心地を維持した電動アシスト制御機能を有します。坂道による負荷増加を自動で検知し、モーターが補助を行います。実際に活躍する俥夫の協力のもと、もっとも自然に移動ができる引き心地を実現しました。

ブレーキ機能

坂の多い観光ルート走行を想定し、安全性に優れたブレーキ機能が搭載されています。

高い静音性

閑静な観光地でも、その風情を損ねない高い静音性能を実現。俥夫とお客様との会話もスムーズに行えるよう静音性には強くこだわっています。

レトロな外観デザイン

レトロな人力車の意匠を壊さない外観デザインを実現。センサーや駆動機構部などのメカ部分をスマートに配置し、古き良き人力車の風情を守ります。

活用シーン
  • 全国の観光地にある人力車へ搭載
    まずは坂道の多い観光スポットへ試験的に導入。
    2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて普及を拡大していく予定です。
  • その他、物流関係で使用するリアカーなどにも搭載可能
仕様
サイズ:幅1300mm×奥行2400mm×高さ2800mm
重量:150kg
登坂能力:6度
乗車定員:2名
想定価格
未定

開発企業からのメッセージ

人力車を引く俥夫の人材不足、日本の観光事業拡大という背景を受け、「電動アシスト人力車」の開発はスタートしました。もともと東京都ロボット研究会で仲良くしていた4社が開発に乗り出し、実用化を促進させるため、えびす屋が共同開発チームに加わりました。電動アシスト人力車は、すでに市場に出回っている電動アシスト自転車などとは構造そのものが異なります。自転車のようなペダルの回転による力ではなく、俥夫が引っ張る力を検知する技術の開発には試行錯誤を繰り返しました。実際の俥夫の方に協力していただき、「どの重さからアシストを開始するのか」という引き心地の部分には、かなりこだわった構造になっています。その他にも、観光業ならではの「風情」を損ねないため、静音性やデザイン性にも細心の注意を払っています。都産技研様には、そういった技術面でのアドバイスをはじめ、テスト施設、安全評価設備、3Dプリンターなどの提供で大きなサポートを頂きました。今後は安全性を高めるテスト・試験導入を経て、全国にこの技術を広めていきたいと考えています。女性や、シニアの方にも引ける人力車として、従来実現できなかった新たな観光ルートの開拓など、人力車ならではの観光の魅力を世界に発信していきたいと思います。

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