東京都立産業技術研究センター

ロボット産業活性化事業

中小企業との共同開発事例

有限会社アストロン係留型ロボット飛行船による安全な法面検査

「安全な検査・調査・監視の実現」係留型ロボット飛行船

法面施工を行っている日特建設株式会社からの提案を受け、法面を安全に検査するためのロボット飛行船について、有限会社アストロン、日本無人機開発合同会社、日特建設株式会社の3社と都産技研とが協力して研究開発を行っています。法面や建物の壁面の検査は、人がロープワークで移動しながら目視・打点により行われています。危険を伴う作業であるため人手不足が深刻化しており、後継者不足に伴い点検の品質低下が問題となっています。ロボット飛行船は、そのような現状を打破することを目的に開発が進められています。法面・壁面を通常カメラや赤外線カメラで遠隔操作により撮影することによって、均質的な点検データの安全な取得を可能にしました。ドローンなどでは実現が難しい長時間飛行や重量物の搭載を可能にし、墜落の危険が極めて低い安全性を持つこのロボット飛行船は、「検査・調査・監視」といった様々な場面での活用が期待されています。

製品の特徴

高い安全性

墜落の危険性が低いので、人がいる上空でも安全な航行が可能です。法面など人が検査する危険な場所において、遠隔操作での検査ができます。柔らかい膜素材なので対象物を傷つける心配もありません。

長時間飛行

ヘリウムガスの浮力と有線給電システムの併用により、飛行困難な気象条件を除いて24時間・365日運用することが可能です。また、飛行許可が得られないエリアを除き、長期間監視が必要な場所などに重宝します。

重量物の搭載

重量のある装置(赤外線カメラ・バッテリーなど)を搭載することが可能です。検査や監視に必要な様々な装置を搭載して長時間飛行できるのは、ドローンなどでは難しい利点です。

高品質なカメラ撮影

カメラ旋回装置によって、高品質画像の取得が可能です。用途に応じて、赤外線カメラ・暗視カメラ・自動追尾カメラなど、様々な装置や機材を装着することができます。

活用シーン
  • 構造物点検(法面・風力発電・橋梁・鉄塔・建築・ダム・トンネル・プラントなど)
  • 大気調査(空間放射線量・一般環境大気・自動車排出ガスなど)
  • 災害監視・調査(洪水・火災・雪崩・土石流・津波・噴火など)
  • 農業・漁業調査(植生・河川・農作物・養殖など)
  • 交通・流通監視(道路・航路・コンテナなど)
  • 監視・警備(不審者・海面・密入出国など)
  • ライブ映像配信(コンサート・スポーツ・イベントなど)
仕様
気球直径:4.5m
ペイロード:4~5kg
作業範囲(ウインチ移動):幅10m×高さ5~150m
画像サイズ:3000×2000画素
想定価格
未定

開発企業からのメッセージ

もともと私たち有限会社アストロンと日本無人機開発合同会社とが協力して飛行船の開発を行っていた時に、日特建設株式会社様から法面点検のお話をいただきました。ちょうどその頃、都産技研様の公募型共同研究が募集されており、応募して採択をされたことがきっかけで、法面点検業務に特化したロボット飛行船の開発がスタートした訳です。大切に考えていたのは、ドローンではできないことをやろうということです。ドローンにはドローンの良さがあり、飛行船には飛行船の良さがあります。その良さを最大限活かした開発を心掛けました。私たちが開発したロボット飛行船の最大の特徴は「墜落の危険性が低い」という点です。点検業務においては、この特徴はとても大きな利点となります。今後は様々な業務にこの技術を応用し、活躍の場を広げていきたいと考えています。都産技研様には、資金面のほかに、開発する上での様々なアドバイス、情報や機材の提供を行っていただきました。また、飛行船の開発、組立て、検査のために共同研究開発室の貸し出しなども行なっていただきました。丁寧かつ手厚いサポートのおかげで、一企業では到底できない開発を効率的に進めることができました。この開発成果によって、安全な点検業務の普及・推進に寄与できれば嬉しく思います。

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